8bro

キャラメルプライベート

麗しき逃亡

眠くて仕方がない。夜に行儀よく寝床につき、朝決まった時間に起き上がる。 それなのに昼を過ぎるとまた泥水に沈んでいくように眠くなってくる。大した夢もみない。しかし、少し前に世界がバラバラに弾ける夢をみた。恐ろしかったけれど、あの夢は良かった。…

夏に難しい言葉は使わない。

科学館に行ってプラネタリウムを観よう!というコンセプトで友人と出掛けた。夏休みラストスパートの小学生の大群や、制服を着て何やらプリントに書き込んでは館内を急ぎ走り回る中学生達に紛れて館内を歩く。薄々感づいてはいたけれど自分は「科学館」とい…

甘いまま凍てついた議論の死骸

ままごとのような恋愛しかできない僕は非道と呼ばれても仕方がないのかもしれないけれど、親身になれない他人の相談事と同じような色にしかみえないのだから、非難されてもきっと真摯に反省はできない。こういった倫理を体内から外気にむけて言葉として形作…

呪文

ここ最近、こっそりと、人生で一番弱気になっていたんですがちょっと解決。解決記念に綴る。まだまだ作ることを諦めなくて済みそうです。よかったなあ、ありがとう家族、ありがとう地球、ありがとう金星(昨日みたから)。 自分には何もないんだ、と穴に落ち…

邪悪な愛妻弁当

スターバックスの店員さんは何故かくも優しいのか。 僕は時々スターバックスに入店する。巷ではスターバックスの呪文のように長い商品名や、謎のトッピング法や飲み物のサイズ選択の分かりづらさに太刀打ちできる気がしないので恐ろしいというような意見を聞…

波打ち際

生と死について書いた文章を推敲している内に、身近な人が亡くなった。そこから更に試行錯誤して投稿したが、間違えて記事ごと削除してしまった。それもまた必然だったのかもしれない。誰にも読まれなかったかもしれないけれど、僕がそれを書いたということ…

地図

引っ越してからというもの知人らに「そっちに遊びに行ったら案内してよ」と言われる。けれど僕は人様を案内するだなんて、そんなことは到底できない。極度の方向音痴なのだ。数年住んだ土地ですらままならず、あまつさえ生まれ育った地元でさえ怪しい。店か…

ぐるぐる回る。

夏が来ると思い出す美しいだけのもの。 暁が裾をはためかせ、夏の空に明るさが弱く滲んでいて、夏でも朝なら涼しいねって言い合いながら一緒にDVDを返しにいった。確か「クロエ」という映画のDVDだったと思う。 白線の上を歩いていたあの子が途切れた線を前…

数独にはまる。

春が夏の尾を掴もうと、そろりそろりと爪を伸ばしていた夜。真っ暗な病室でレントゲン写真を覗き込むとカラフルな骨が組み合わさって、人形劇が催されていたような夢をみた。ちなみに先週みた夢は、水たまりから引きずり込まれて別の世界の水たまりに出る。…

冬の句点

黒の小物を買うときは、本気で一生使うつもりで買っている。バッグや靴、小物なら断然黒が好きで、欲しいのはダークグレーでもチャコールでもダークネイビーでもない宇宙みたいに真っ暗な黒。赤や青や黄色や緑の目の覚めるような色の服を着て、最後の仕上げ…

メールを打つとは言いますが

夜、バスの席に座って、ただ黒いばかりの窓の外を眺めていた。そのときイヤホンから流れてきた音楽が「♪君にメールを打たなきゃ」云々と歌っていたのだけれど、その言葉が耳の奥の渦巻きのところにカランと引っかかったようなそんな感覚が。 「メールを打つ…

編み物

自分の話ばかりしているようで恐縮ですが、己の肉体から出る話なんてそういった類のことしかない。 歳を取るごとに、どんどんと内面が丸くなっていくのを感じる。中学生くらいが一番ひねくれていて、少しずつ和らいで、それでも依然として自分の中に苦手な人…

マヨネーズ色の毛布で眠って、5回に1回怖い夢を見る

息をするのと同じくらい無意識に毎日毎日なにかしらの文章を書く。ここ数年はパソコンのメモ帳にちまちまと書き溜めている日々の感想文のようなものの他に、さらりと手触りの良いノートに手書きの日記も少々つけているが、その日記だけは悲しいことや辛いこ…